木漏れ日パレット

Tonericoの楽曲置き場です。

【感想】エデンの処女(おとめ)1~3巻

こんにちは、ライザのアトリエが楽しみなとねりこです。

普段あまり漫画の感想って書いたりしないんですけど、あまりの良作だったのでついつい皆さんに紹介したくて記事にしてみます。

「エデンの処女(おとめ)」というお話です。

f:id:TonericoSwt:20190905233222j:plain

[Amazon] https://www.amazon.co.jp/dp/B0773LDCDZ/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_YWrCDb8RM4CTC

人類は、女性だけになりました。はるかな未来、女性のみとなった世界。純野小羽(すみの・こはね)は、美しい庭園があると噂される白咲耶学園に入学する。可憐に花が咲き乱れ、蝶が舞うこの庭園は、まるで楽園のよう。秘密の花園で出会った少女たち同士で繰り広げられる、愛憎渦巻く新時代のラブストーリー! 名門・白咲耶学園には「中庭にある二本の木の下で花を贈り合う二人は、永遠に結ばれる」という伝説があった。その言い伝えに憧れる新入生の小羽は、さっそく中庭を訪れる。園芸部の「部長代理」という花束烈火(はなつか・れっか)は小羽を歓迎し、花冠をかぶせてくれた。だが、そこが「伝説の二本の木の下」であったためか、二年生の藍宮葵(あいみや・あおい)は激高し、小羽への敵意を隠さない。「キレイなものが好き」と中庭へ通い続ける小羽だが、葵はそんな彼女に思わぬ行動に出て...? ここは本当に楽園なのか、それとも絶望の園(ディストピア)なのか?遠い過去、生殖細胞を破壊するウイルスが流行し、この世界ではもはや、男性が誕生することはない。そして舞台はその世界の、閉ざされた学園の中庭。この「檻の中の檻」で、少女たちが夢見る本当の願いとは?時に美しく咲き、時に無残に散る、少女たちの儚い想い。豪華絢爛、新世代の恋愛奇譚、華麗なる第1章!■収録:第1話ー第7話/設定資料集/おまけ4コマ/あとがき他

あらすじにもある通り、舞台は遥か未来、女性のみが生き残った世界です。

化学兵器として作られた生殖細胞を破壊するウイルスが世界中の男性を死滅させ女性のみで子を成せるよう進化した新人類(見た目は現代人と変わらないですが)たちの物語。
なんでしょう、言ってしまえば百合なのですが、ほんわかしたものではなく、一言で表すならば

愛憎

でございます。


f:id:TonericoSwt:20190905234143p:plain
(※上記Amazonの購入ページからプレビューが読めます)

純野小羽(すみの・こはね)はなんでも思ったことが口に出てしまう性格。キレイなものが大好きで、その裏でその「キレイなもの」を自分が壊してしまう(枯らしてしまう)ことを恐れています。
小羽は名家のお嬢様が集う白咲耶学園に通う従姉妹から、

「中庭にある二本の木の下で花を贈り合う二人は、永遠に結ばれる」

という伝説を聞き、きっと美しい庭なのだろうと、ただそれを見たい一心で白咲耶学園に通い始めます。
しかし、初日から寝坊をかまし、遅刻してしまい先生からはこっぴどく怒られる始末。

f:id:TonericoSwt:20190905234956p:plain

かわいい


f:id:TonericoSwt:20190905235231p:plain

かわいい

隣の席の玄江さゆり(くろえ・さゆり)にフォローされながらも、小羽は伝説の庭を探します。
件の中庭を訪れた二人は、園芸部部長『代理』と名乗る花束烈火(はなつか・れっか)と出会い、成り行きで庭を見て回ることに。

園芸部部員たちが織り成す、女性たちだけの世界ならではの人間関係。

どこまでもまっすぐな小羽は園芸部をどのように変えていってしまうのか――――。

そして、何を壊してしまうのか――――。





単行本は現在1~3巻まで発売しております。

なんというか、美しいドロドロとしたお話を読みたかったんですよね。

そんな私に、ドンピシャのお話でありました。


登場人物が数多く存在しますが、もうドデカい感情のぶつかり合い。

個人的には、1巻76pの

「理由がないとキレイとか好きとか思っちゃいけないなら」

「その方がよっぽど「その程度」なんじゃないですか!?」

っていう小羽のセリフが大好きです。

これ、先輩に向かってのセリフですよ……
1巻からもう大ゲンカですよ……


あとは純粋に玄江さゆりちゃんが可愛くて好きです。

でもね、これは本当に綺麗に描かれているのですが、

いつからか「ともだち」を「ともだち」として見られなくなってしまう。

少女たちの苦悩がとても伝わってきます。


そこに生まれるのは「恋」というあまりにも大きすぎる感情。


お話もさることながら、渡邉嘘海先生の描く「感情」が本当に鋭く、鮮明でかつ美しくて、引き込まれてしまいます。

さらに、少女たちの表情もそうですが、「植物」の表現がスゴイです。園芸部ということで必然的に植物の描写が多くなるのですが、ものすごく繊細で丁寧。

そういった要素も引き込まれる理由の一つなんじゃないかなと思います。


あまりネタバレはしたくないのでぼかしますが……

3巻の

……みんな、ずるいなあ……


大事なことは
聞こえるように 言ってよ

という小羽のセリフにはグサリと来ました。
ただ単純にまっすぐな子ではないんです、この子。
自分が壊してしまうものに悩みながら、それでも自分の力で考えて、進むんです。

そしてそれは多かれ少なかれ周りのみんなに伝わっていく。

園芸部という虚構の平和に溺れていた少女たちを、変えていくんですね。




これを思春期の物語と言っていいかは私には分かりませんが、

大きな感情を浴びたい方、ぜひオススメの作品です。

間違いなく楽しめると思います。



もう一度リンクを貼っておきますね
[Amazon] https://www.amazon.co.jp/dp/B0773LDCDZ/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_YWrCDb8RM4CTC


ぜひ、読んでみてください!!

ではでは~